熱量保存
ねつりょうほぞん
【熱量保存(ねつりょうほぞん)】
定義
外部との熱の出入りがないとき、系の中で高温の物体が失った熱量と、低温の物体が受け取った熱量がつり合うという関係をいう。
これはエネルギー保存の一部として現れる現象であり、特に熱のやりとりに注目した場合の表現である。
イメージ
熱い金属と冷たい水を混ぜると、金属は冷え、水は温まる。
このとき、金属が失った分だけ水が熱を受け取っているため、全体としての熱のやりとりはつり合っている。
つまり、「片方が失った分は、もう片方が受け取っている」と考えると理解しやすい。
計算では、この関係を整理したものとして「熱収支(全体で熱の和が0)」として扱う。
数式
熱量保存の関係は、次のように表される。
\[Q_{\text{失}} + Q_{\text{得}} = 0\]
または、具体的には
\[m_1 c_1 (T - T_1) + m_2 c_2 (T - T_2) = 0\]
\(m\):質量(kg)
\(c\):比熱(J/(kg・K))
\(T_1、T_2\):初めの温度(K または ℃)
\(T\):最終的な共通の温度(K または ℃)
この式は、全体の熱のやりとりを符号付きで整理した「熱収支」と同じ意味をもつ。
ポイント
- 熱量保存は「断熱(外部との熱の出入りなし)」が前提になる
- 実際にはエネルギーが保存されており、熱だけが単独で保存されるわけではない
- 計算では「熱収支(ΣQ=0)」として式を立てると整理しやすい