非弾性衝突

ひだんせいしょうとつ

【非弾性衝突(ひだんせいしょうとつ)】

定義

非弾性衝突とは、衝突の前後で運動量は保存されるが、運動エネルギーは保存されない衝突のことである。
衝突によって、一部の運動エネルギーが熱や音、変形などの他のエネルギーに変わる。

イメージ

たとえば、粘土のかたまり同士をぶつけると、衝突後にくっついて一緒に動くことがある。このとき、速さは小さくなり、もとの運動エネルギーの一部は変形に使われて失われる。

また、ボール同士の衝突でも、完全には跳ね返らず、少しエネルギーが失われる場合は非弾性衝突である。

数式

運動量保存は成り立つ。

\[m_1 v_1 + m_2 v_2 = m_1 v_1' + m_2 v_2'\]

ここで、\(m\) は質量(kg)、\(v\) は衝突前の速度(m/s)、\(v'\) は衝突後の速度(m/s)である。

一方で、運動エネルギーは一般に保存されない。

\[\frac{1}{2} m_1 v_1^2 + \frac{1}{2} m_2 v_2^2 \neq \frac{1}{2} m_1 v_1'^2 + \frac{1}{2} m_2 v_2'^2\]

特に、完全にくっつく場合(完全非弾性衝突)では、衝突後の速度は共通になる。

\[v' = \frac{m_1 v_1 + m_2 v_2}{m_1 + m_2}\]

ポイント

  • 運動量は常に保存されるが、運動エネルギーは減少する
  • 失われたエネルギーは、熱・音・変形などに変わる
  • 完全にくっつく場合は「完全非弾性衝突」と呼ばれる
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