「電気と磁気」の用語集
EJU物理の電気と磁気分野における用語を分野別(電場・コンデンサー・電流・回路・半導体・磁場・電磁力・電磁誘導・交流・電磁波)に整理した一覧ページ
電場
【電荷(でんか)】
定義
電荷とは、物体がもつ電気的な性質であり、電気的な力(静電気力)を生み出す原因となる量である。正の電荷と負の電荷の2種類があり、同じ符号同士は反発し、異なる符号同士は引き合う。
イメージ
身近な例として、乾いた日にセーターを脱ぐときにパチッとする現象は電荷によるものである。物体同士がこすれることで電荷が移動し、一方が正、もう一方が負に帯電する。その結果、引き合ったり反発したりする。
数式
電荷そのものを表す基本量は次のように書く。
\[q \ (\mathrm{C})\]
ここで、\(q\) は電荷、単位はクーロン(C)である。
また、電流 \(I\)(A)と電荷の関係は次式で表される。
\[I = \frac{q}{t}\]
ここで、\(t\) は時間(s)である。
ポイント
- 電荷には正と負の2種類があり、同符号は反発、異符号は引力が働く
- 電荷は保存される(閉じた系では全体の電荷の総量は変わらない)
- 電荷の最小単位は電子の電荷であり、約 \(1.6\times10^{-19}\) C である
【クーロンの法則(くーろんのほうそく)】
定義
クーロンの法則とは、2つの点電荷の間にはたらく電気的な力の大きさを表す法則である。力の大きさは、それぞれの電荷の大きさの積に比例し、電荷どうしの距離の2乗に反比例する。力の向きは、2つの電荷を結ぶ直線上で決まる。
イメージ
電荷をもつ小さな粒どうしを近づけると、引き合ったり反発したりする。このはたらきの強さは、電荷が大きいほど強くなり、距離が少し離れるだけでも急に弱くなる。つまり、近いと強く、遠いとかなり弱い力である。
たとえば、同じ大きさの正電荷どうしなら反発する。正電荷と負電荷なら引き合う。向きはいつも、2つの電荷をまっすぐ結ぶ方向で考える。
数式
クーロンの法則は、真空中では次の式で表される。
\[F = k\frac{|q_1 q_2|}{r^2}\]
ここで、\(F\) は電気力(N)、\(q_1\) と \(q_2\) は電荷(C)、\(r\) は電荷間の距離(m)、\(k\) は比例定数である。
力の向きは符号の組合せで決まる。
- 同符号どうしなら反発
- 異符号どうしなら引力
また、媒質が変わると力の大きさは変わることがあるので、基本問題では「真空中」または「空気中」として扱うことが多い。
ポイント
- 距離が2倍になると、力は \(1/4\) 倍になる
- 電荷の大きさだけでなく、力の向きも重要である
- この法則は点電荷の間にはたらく力を基本として考える
【電場(でんば)】
定義
電場とは、電荷のまわりにできる空間の性質であり、その場所に電荷を置いたときに電気的な力を受けるような領域を表す量である。つまり、電荷が力を及ぼす「場」を表したものである。
イメージ
電荷のまわりには目に見えない影響の広がりがあり、そこに別の電荷を置くと力が働く。この「影響の広がり」を電場として考えると、どこでどの向きにどれくらいの力が働くかを空間ごとに理解できる。
例えば、正の電荷のまわりでは外向きに力が働く向きが広がっていると考える。
数式
電場 \(E\) は、単位電荷あたりに働く力として定義される。
\[E = \frac{F}{q}\]
ここで、\(E\) は電場(N/C)、\(F\) は力(N)、\(q\) は電荷(C)である。
また、点電荷 \(Q\) がつくる電場は次式で表される。
\[E = k \frac{Q}{r^2}\]
ここで、\(k\) は比例定数、\(r\) は電荷からの距離(m)である。
ポイント
- 電場は「その場所の性質」であり、そこに電荷を置いたときに力として現れる
- 電場の向きは、正の電荷に働く力の向きで定義する
- 点電荷による電場は距離の2乗に反比例して弱くなる
【電気力線(でんきりょくせん)】
定義
電気力線とは、電場の向きと強さを視覚的に表すために考えられた仮想的な線である。各点において、電気力線の接線方向が電場の向きを示し、線の密度が電場の強さを表す。
イメージ
正の電荷からは外向きに線が広がり、負の電荷には線が集まる。つまり、電気力線は正電荷から出て負電荷に入る流れとして描かれる。線が密な場所ほど電場が強く、まばらな場所ほど弱いと考える。
数式
電気力線そのものを直接表す式はないが、電場 \(E\)(N/C)との関係で理解する。
\[E = \frac{F}{q}\]
ここで、\(E\) は電場、\(F\) は電荷に働く力(N)、\(q\) は電荷(C)である。
ポイント
- 電気力線は実在するものではなく、電場を理解するためのモデルである
- 電気力線は途中で交わらない(交わると電場の向きが一意に決まらなくなる)
- 線の密度が電場の強さを表し、密なほど強い電場である
【電位(でんい)】
定義
電位とは、ある点に単位電荷(1 C)を置いたときに、その電荷がもつ位置エネルギーの大きさを表す量である。電場の中での「高さ」のような役割をもち、電荷がどれだけエネルギーをもっているかを示す。
イメージ
電位は、重力の高さに似ている。高いところにある物体ほど重力による位置エネルギーが大きいのと同じように、電位が高い場所にある電荷ほどエネルギーが大きい。電荷は自然に電位の高いところから低いところへ移動する。
数式
電位 \(V\)(V)は、電荷 \(q\)(C)と位置エネルギー \(U\)(J)の関係で次のように表される。
\[V = \frac{U}{q}\]
ここで、\(V\) は電位(V)、\(U\) は位置エネルギー(J)、\(q\) は電荷(C)である。
また、電位差(電圧)\(V\) は仕事 \(W\)(J)との関係で次のようにも表される。
\[V = \frac{W}{q}\]
ここで、\(W\) は電荷を移動させるのに必要な仕事(J)である。
ポイント
- 電位は「単位電荷あたりのエネルギー」を表す量である
- 電荷は電位の高いところから低いところへ移動する(正電荷の場合)
- 電位そのものよりも、2点間の差(電位差)が重要になる
【電位差(でんいさ)】
定義
電位差とは、2点間における電気的な位置エネルギーの差を、電荷1Cあたりで表した量である。つまり、電荷をある点から別の点へ移動させるときに、どれだけエネルギーが変化するかを示す。
イメージ
高さの違いによって水が流れるのと同じように、電位差があると電荷は高い電位から低い電位へ移動する。電池はこの「高さの差」を作る装置であり、その差があることで電流が流れる。
数式
電位差 \(V\)(V)は、電荷 \(q\)(C)を移動させるのに必要な仕事 \(W\)(J)との関係で次のように表される。
\[V = \frac{W}{q}\]
ここで、\(V\) は電位差、\(W\) は仕事、\(q\) は電荷である。
ポイント
- 電位差は「エネルギーの差」を電荷で割った量であり、単位はボルト(V)である
- 電位差があると電荷は高い電位から低い電位へ移動する(電流の向きは正電荷基準)
- 電位そのものではなく「差」が重要であり、基準の取り方によって電位の値は変わる
【等電位面(とうでんいめん)】
定義
等電位面とは、空間中で電位が同じ値になっている点をつないでできる面のことである。この面上では、どの点においても電位差がない。
イメージ
地形でいうと「同じ高さの地点を結んだ線(等高線)」を広げて面にしたものに近い。等電位面の上を動いても高さ(=電位)は変わらないので、電気的なエネルギーの変化は起こらない。
数式
電位 \(V\)(V)が一定である面として表される。
\[V = \text{一定}\]
また、電場 \(E\)(N/C)との関係として、等電位面は常に電場に垂直になる。
ポイント
- 等電位面上では電位差がないため、電荷を動かしても仕事は必要ない
- 等電位面は電場の向きに対して必ず垂直になる
- 等電位面の間隔が狭いほど、その場所の電場は強い
【静電誘導(せいでんゆうどう)】
定義
静電誘導とは、帯電した物体を近づけることで、他の物体の中の電荷が移動し、全体として電荷の分布が偏る現象である。接触しなくても起こるのが特徴である。
イメージ
金属の球に正に帯電した物体を近づけると、球の中の自由電子が引き寄せられて、近い側に集まる。その結果、遠い側には電子が不足し、正に帯電した部分ができる。つまり、全体としては中性でも、場所によって電荷が分かれる。
数式
静電誘導そのものを直接表す基本式はないが、電荷の移動や力はクーロンの法則で理解できる。
\[F = k \frac{|q_1 q_2|}{r^2}\]
ここで、\(F\) は力(N)、\(q_1\) と \(q_2\) は電荷(C)、\(r\) は距離(m)、\(k\) は比例定数である。
ポイント
- 接触しなくても電荷が移動する(これが帯電との大きな違い)
- 導体では自由電子が動いて電荷の偏りが生じる
- 全体の電荷の総量は変わらず、分布だけが変化する
【誘電分極(ゆうでんぶんきょく)】
定義
誘電分極とは、絶縁体(誘電体)に電場をかけたとき、物質内部の正電荷と負電荷がわずかにずれて、電気的な偏り(分極)が生じる現象である。
イメージ
電場がないとき、分子の中の正電荷と負電荷はほぼ同じ位置にあり、全体として中性である。
しかし電場をかけると、正電荷は電場の向きに、負電荷は逆向きに少し移動する。
その結果、物質の一端は正に、反対側は負に帯電したような状態になる。
数式
分極の強さは分極ベクトルで表される。
\[\mathbf{P} \ (\mathrm{C/m^2})\]
ここで、\(\mathbf{P}\) は単位体積あたりの電気双極子モーメントである。
電場 \(\mathbf{E}\)(V/m)との関係は次のように表される。
\[\mathbf{P} = \varepsilon_0 \chi_e \mathbf{E}\]
ここで、\(\varepsilon_0\) は真空の誘電率、\(\chi_e\) は電気感受率である。
ポイント
- 誘電分極は「電荷が移動する」のではなく「わずかにずれる」現象である
- 導体と違い、自由に動く電荷はなく、内部で偏りが生じるだけである
- 分極によって表面に見かけの電荷(分極電荷)が現れる
コンデンサー
【コンデンサー(こんでんさー)】
定義
コンデンサーとは、電荷をたくわえることができる装置である。2枚の導体(極板)を向かい合わせ、その間に絶縁体をはさんだ構造をもち、電圧をかけると正負の電荷がそれぞれの極板に分かれて蓄えられる。
イメージ
電池につなぐと、一方の板に正の電荷、もう一方の板に負の電荷がたまる。つまり、電荷を「ためる容器」のようなものである。ただし、実際には電荷そのものが移動するというより、電場のエネルギーとして蓄えられていると考える。
数式
コンデンサーの基本的な関係は次の式で表される。
\[Q = CV\]
ここで、\(Q\) は電荷(C)、\(C\) は電気容量(F)、\(V\) は電圧(V)である。
平行板コンデンサーでは、電気容量は次のようになる。
\[C = \varepsilon \frac{S}{d}\]
ここで、\(\varepsilon\) は誘電率、\(S\) は極板の面積(m²)、\(d\) は極板間の距離(m)である。
ポイント
- 電圧をかけると、正負の電荷が分かれて極板にたまる
- 電気容量が大きいほど、同じ電圧で多くの電荷を蓄えられる
- エネルギーは電荷ではなく電場として蓄えられる
【電気容量(でんきようりょう)】
定義
電気容量とは、導体がどれだけ電荷をたくわえることができるかを表す量であり、電位差あたりに蓄えられる電荷の大きさで定義される。
イメージ
同じ電圧をかけても、多くの電荷をためられるものと、あまりためられないものがある。この「ためやすさ」の違いを表すのが電気容量である。イメージとしては、水をためる容器の大きさに似ていて、容量が大きいほど多くの電荷をためられる。
数式
電気容量は次の式で定義される。
\[C = \frac{Q}{V}\]
ここで、\(C\) は電気容量(F)、\(Q\) は電荷(C)、\(V\) は電位差(V)である。
また、平行板コンデンサーでは、次のように表される。
\[C = \varepsilon \frac{S}{d}\]
ここで、\(\varepsilon\) は誘電率、\(S\) は極板の面積(m²)、\(d\) は極板間の距離(m)である。
ポイント
- 電気容量は「どれだけ電荷をためられるか」を表す量であり、電荷そのものではない
- 同じ電圧でも、電気容量が大きいほど多くの電荷をためることができる
- コンデンサーでは、面積が大きいほど、距離が小さいほど電気容量は大きくなる
【誘電体(ゆうでんたい)】
定義
誘電体とは、電流はほとんど流さないが、電場をかけると内部で電荷の偏り(分極)が生じる物質である。金属のように自由に電荷が動くのではなく、原子や分子の中でわずかに電荷の位置がずれる。
イメージ
コンデンサーの間にガラスやプラスチックを入れると、電気のたまり方が変わる。これは、内部で正と負の電荷が少しずれて並び、外からの電場を弱めるように働くためである。つまり、電場の中で「中の電荷が少しだけ動く物質」と考えるとよい。
数式
誘電体を入れたとき、電場 \(E\)(V/m)は次のように変化する。
\[E = \frac{E_0}{\varepsilon_r}\]
ここで、\(E_0\) は誘電体がないときの電場、\(\varepsilon_r\) は比誘電率(無次元)である。
また、コンデンサーの静電容量 \(C\)(F)は次のように増加する。
\[C = \varepsilon_r C_0\]
ここで、\(C_0\) は誘電体がないときの容量である。
ポイント
- 誘電体では自由電子が動くのではなく、電荷の「ずれ(分極)」が起こる
- 誘電体を入れると電場は弱くなり、コンデンサーの容量は大きくなる
- 比誘電率 \(\varepsilon_r\) は物質ごとに異なり、1より大きい値をとる
【静電エネルギー(せいでんえねるぎー)】
定義
静電エネルギーとは、電荷が電場の中で位置をもつことによってもつエネルギーである。電荷をある位置に動かすために必要な仕事として定義される。
イメージ
電荷同士は引き合ったり反発したりする。そのため、無理に近づけたり遠ざけたりすると仕事が必要になる。この「位置によってたまるエネルギー」が静電エネルギーである。
例えば、同じ符号の電荷を近づけると反発するので、その分だけエネルギーが蓄えられる。
数式
点電荷 \(q\) を電位 \(V\) の位置に置いたときの静電エネルギーは次式で表される。
\[U = qV\]
ここで、\(U\) は静電エネルギー(J)、\(q\) は電荷(C)、\(V\) は電位(V)である。
また、2つの点電荷 \(q_1\)、\(q_2\) が距離 \(r\)(m)だけ離れているときの静電エネルギーは次式で表される。
\[U = \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \frac{q_1 q_2}{r}\]
ここで、\(\varepsilon_0\) は真空の誘電率である。
ポイント
- 静電エネルギーは「電荷の位置」によって決まるエネルギーである
- 同符号の電荷では正、異符号では負のエネルギーになる
- 電場がする仕事と静電エネルギーの変化は符号が逆になる
【コンデンサーの接続(こんでんさーのせつぞく)】
定義
コンデンサーの接続とは、複数のコンデンサーを回路中でつなぎ合わせたときの全体の電気的なふるまいを考えることである。接続方法には主に「並列接続」と「直列接続」があり、それぞれ合成容量や電圧・電荷の分配の仕方が異なる。
イメージ
並列接続は「面積が広がる」イメージで、電荷をたくさんためられるようになる。一方、直列接続は「厚みが増す」イメージで、電圧を分け合う形になる。
たとえば、水をためる容器で考えると、並列は容器を横に並べて容量を増やす状態、直列は容器を縦につないで水の高さ(圧力)を分けるような状態に近い。
数式
並列接続では、合成容量 \(C\) は各コンデンサーの和になる。
\[C = C_1 + C_2 + \cdots\]
ここで、\(C_1, C_2\) は各コンデンサーの容量(F)である。
直列接続では、合成容量は逆数の和で決まる。
\[\frac{1}{C} = \frac{1}{C_1} + \frac{1}{C_2} + \cdots\]
また、基本関係として、コンデンサーには
\[Q = C V\]
が成り立つ。ここで、\(Q\) は電荷(C)、\(V\) は電圧(V)である。
ポイント
- 並列接続では電圧はすべて同じで、電荷が分かれる
- 直列接続では電荷はすべて同じで、電圧が分かれる
- 直列では合成容量は必ず小さくなり、並列では必ず大きくなる
電流
【電流(でんりゅう)】
定義
電流とは、電荷が時間あたりにどれだけ移動したかを表す量である。つまり、電気の流れの大きさを表す物理量である。
イメージ
導線の中では、電子が一方向に動いている。水の流れにたとえると、水の量が多く流れるほど流れが大きいのと同じで、短い時間に多くの電荷が移動するほど電流は大きくなる。
数式
電流は次の式で表される。
\[I = \frac{q}{t}\]
ここで、\(I\) は電流(A)、\(q\) は移動した電荷(C)、\(t\) は時間(s)である。
また、微小時間で考えると、次のようにも表される。
\[I = \frac{dq}{dt}\]
ポイント
- 電流は「電荷の流れる速さ(量)」を表す量である
- 電流の向きは正電荷の移動方向で定義される(電子の動きとは逆)
- 回路では電流は基本的に連続して流れ、途中で途切れないと考える
【電圧(でんあつ)】
定義
電圧とは、電荷を移動させるときに必要なエネルギーの差を表す量であり、単位電荷あたりのエネルギーとして定義される。つまり、電荷をある点から別の点へ動かすときの「押す力の強さ」を表す。
イメージ
電圧は高さの違いにたとえることができる。高い場所から低い場所へ水が流れるように、電圧が高いところから低いところへ電荷が流れる。電圧が大きいほど、電荷を動かそうとするはたらきも強くなる。
数式
電圧 \(V\) は、電荷 \(q\)(C)を動かすのに必要なエネルギー \(W\)(J)との関係で次のように表される。
\[V = \frac{W}{q}\]
ここで、\(V\) は電圧(V)、\(W\) はエネルギー(J)、\(q\) は電荷(C)である。
また、電流 \(I\)(A)と抵抗 \(R\)(Ω)との関係は次のように表される。
\[V = IR\]
ポイント
- 電圧は「電荷を動かすためのエネルギー差」を表す量である
- 電流は電圧の高いところから低いところへ流れる(条件による)
- 電圧だけでは電流は決まらず、回路の抵抗も関係する
【オームの法則(おーむのほうそく)】
定義
オームの法則とは、電圧・電流・抵抗の間に成り立つ関係を表す法則であり、一定の条件(主に温度一定)で、電圧が大きくなると電流も比例して大きくなることを示す。
イメージ
水の流れにたとえると、水圧(電圧)が高いほど水の流れ(電流)は強くなるが、細い管(抵抗)があると流れにくくなる。つまり、電流は「押す力(電圧)」と「流れにくさ(抵抗)」のバランスで決まる。
数式
オームの法則は次の式で表される。
\[V = IR\]
ここで、\(V\) は電圧(V)、\(I\) は電流(A)、\(R\) は抵抗(Ω)である。
この式は次のように変形できる。
\[I = \frac{V}{R}\]
\[R = \frac{V}{I}\]
ポイント
- 電圧と電流は比例関係にある(抵抗が一定のとき)
- 抵抗が大きいほど、同じ電圧でも電流は小さくなる
- 温度などの条件が変わると、オームの法則が成り立たない場合もある
【抵抗(ていこう)】
定義
抵抗とは、電流の流れにくさを表す物理量であり、導体の中で電流の流れを妨げるはたらきを示す量である。値が大きいほど電流は流れにくくなる。
イメージ
導線の中では、電子が自由に動いて電流が流れるが、原子や不純物にぶつかることで動きが妨げられる。この「ぶつかりにくさの程度」が抵抗である。つまり、水の流れでいうと、細い管やざらざらした管ほど流れにくくなるのと同じイメージである。
数式
抵抗は、電圧 \(V\)(V)と電流 \(I\)(A)の関係で次のように表される。
\[R = \frac{V}{I}\]
ここで、\(R\) は抵抗(Ω)である。
また、導体の性質として、長さ \(l\)(m)、断面積 \(S\)(m²)、抵抗率 \(\rho\)(Ω·m)を用いて次のようにも表される。
\[R = \rho \frac{l}{S}\]
ポイント
- 抵抗が大きいほど電流は流れにくい
- 抵抗は物質の種類や形(長さ・太さ)によって決まる
- 温度によって抵抗は変化し、多くの金属では温度が上がると抵抗は大きくなる
【抵抗率(ていこうりつ)】
定義
抵抗率とは、物質そのものが電流の流れにくさを表す量であり、材料固有の性質である。同じ形状であれば、抵抗率が大きいほど電流は流れにくくなる。
イメージ
同じ太さ・長さの導線でも、銅のような金属では電流が流れやすく、ゴムのような物質ではほとんど流れない。これは材料ごとの「流れにくさ」の違いであり、それを数値で表したものが抵抗率である。
数式
導線の電気抵抗 \(R\) は、次の式で表される。
\[R = \rho \frac{L}{A}\]
ここで、\(\rho\) は抵抗率(Ω・m)、\(L\) は長さ(m)、\(A\) は断面積(m²)である。
ポイント
- 抵抗率は物質ごとに決まる値であり、形状には依存しない
- 温度によって変化する(多くの金属では温度が上がると抵抗率は増加する)
- 導体は抵抗率が小さく、絶縁体は非常に大きい
【ジュール熱(じゅーるねつ)】
定義
ジュール熱とは、電流が導体(抵抗)を流れるときに、その電気エネルギーが熱エネルギーに変わって発生する熱のことである。
イメージ
電気ストーブやドライヤーが温かくなるのは、電流が内部の抵抗を通るときにエネルギーが熱に変わるためである。つまり、電気が流れることで、導体の中でエネルギーが消費され、熱として外に出てくる。
数式
ジュール熱 \(Q\)(J)は、次の式で表される。
\[Q = I^2 R t\]
ここで、\(I\) は電流(A)、\(R\) は抵抗(Ω)、\(t\) は時間(s)である。
また、電圧 \(V\)(V)を用いると、
\[Q = V I t\]
とも表せる。
ポイント
- 電流が流れるだけでなく、抵抗があることで熱が発生する
- 電流が大きいほど(2乗に比例して)発生する熱は急激に増える
- 電気エネルギーが熱エネルギーに変換されている現象である
【電力(でんりょく)】
定義
電力とは、電気エネルギーが単位時間あたりにどれだけ使われたり運ばれたりするかを表す量である。つまり、「電気の仕事の速さ」を表す物理量である。
イメージ
同じ電気でも、短い時間でたくさんのエネルギーを使うほど電力は大きくなる。たとえば、ドライヤーは短時間で大きな熱を出すので電力が大きく、LED電球はゆっくりエネルギーを使うので電力は小さい。
数式
電力 \(P\)(W)は、電圧 \(V\)(V)と電流 \(I\)(A)を用いて次のように表される。
\[P = VI\]
また、電気エネルギー \(W\)(J)との関係は次の通りである。
\[P = \frac{W}{t}\]
ここで、\(t\) は時間(s)である。
さらに、抵抗 \(R\)(Ω)を用いると次の式も成り立つ。
\[P = I^2 R\]
ポイント
- 電力は「単位時間あたりのエネルギー」であり、単位はワット(W)
- 同じ電圧でも電流が大きいほど電力は大きくなる
- 電力の式は状況に応じて \(P=VI\)、\(P=I^2R\) などを使い分ける
【電力量(でんりょくりょう)】
定義
電力量とは、電気がした仕事の量、つまり電気エネルギーの総量を表す物理量である。電力がどれだけの時間使われたかによって決まる。
イメージ
電力は「1秒あたりに使うエネルギー」であり、電力量は「ある時間で実際に使ったエネルギーの合計」である。
たとえば、同じ電力の電気製品でも、長く使うほど電力量は大きくなる。
数式
電力量 \(W\) は、電力 \(P\) と時間 \(t\) を使って次のように表される。
\[W = Pt\]
ここで、\(P\) は電力(W)、\(t\) は時間(s)である。
また、電圧 \(V\) と電流 \(I\) を使うと、
\[W = VIt\]
とも書ける。
ポイント
- 電力量は「電力 × 時間」で決まるため、使用時間が重要になる
- 単位はジュール(J)のほか、実用ではワット時(Wh)やキロワット時(kWh)が使われる
- 電力(W)と電力量(WhやJ)を混同しないこと
回路
【直列回路(ちょくれつかいろ)】
定義
直列回路とは、電気回路の中で複数の抵抗や電気部品が1本の道に沿って順番につながれている回路である。このとき、電流はすべての部品を同じ順番で通過する。
イメージ
1本の細い道を水が流れていると考えるとよい。この道の途中にいくつかの障害物(抵抗)が並んでいると、水(電流)は必ずすべての障害物を順番に通ることになる。どこでも同じ量の水が流れている状態になる。
数式
直列回路では電流はすべての部分で等しい。
\[I_1 = I_2 = I_3 = \cdots = I \ (\mathrm{A})\]
また、全体の電圧は各部分の電圧の和になる。
\[V = V_1 + V_2 + V_3 + \cdots \ (\mathrm{V})\]
合成抵抗は次のように足し算で求める。
\[R = R_1 + R_2 + R_3 + \cdots \ (\Omega)\]
ここで、\(I\) は電流、\(V\) は電圧、\(R\) は抵抗である。
ポイント
- 電流は回路のどの部分でも同じ大きさになる
- 電圧は各抵抗に分かれてかかり、その合計が全体の電圧になる
- 抵抗は単純に足し算で合成されるため、数が増えるほど電流は流れにくくなる
【並列回路(へいれつかいろ)】
定義
並列回路とは、複数の回路要素(抵抗など)が分かれて接続され、それぞれに同じ電圧がかかる回路である。電流は分岐して流れ、各経路に分かれる。
イメージ
水の流れで考えると、1本の水路が途中で複数に分かれている状態に近い。それぞれの水路には同じ高さ(圧力)がかかり、水は複数の道に分かれて流れる。電流も同様に、複数の経路に分かれて流れる。
数式
並列回路では、各枝にかかる電圧 \(V\)(V)はすべて等しい。
\[V = V_1 = V_2 = \cdots\]
全体の電流 \(I\)(A)は、各枝の電流の和になる。
\[I = I_1 + I_2 + \cdots\]
合成抵抗 \(R\)(Ω)は、次の関係で求められる。
\[\frac{1}{R} = \frac{1}{R_1} + \frac{1}{R_2} + \cdots\]
ポイント
- 並列回路では電圧が共通で、電流が分かれる
- 合成抵抗は各抵抗よりも小さくなる
- 枝が増えるほど全体の電流は大きくなる
【キルヒホッフの法則(きるひほっふのほうそく)】
定義
キルヒホッフの法則とは、電気回路における電流と電圧の関係を表す基本法則であり、「電流の保存」と「エネルギーの保存」に基づいて成り立つ。
具体的には、接点での電流の関係を表す第1法則と、回路一周の電圧の関係を表す第2法則の2つからなる。
イメージ
回路の分かれ道(接点)では、流れ込む電流と流れ出る電流の合計は同じになる。つまり、水の分岐と同じで、どこかで電流が増えたり減ったりすることはない。
また、回路を一周すると、電池で得たエネルギーはすべて抵抗などで使われ、最終的には差し引きゼロになる。
数式
第1法則(電流の法則)は、接点において
\[\sum I_{\text{流入}} = \sum I_{\text{流出}}\]
と表される。
第2法則(電圧の法則)は、閉回路において
\[\sum V = 0\]
と表される。
ここで、\(I\) は電流(A)、\(V\) は電圧(V)である。
ポイント
- 第1法則は電流の保存、第2法則はエネルギー保存に対応する
- 電流の向きや電圧の符号の取り方を一貫させることが重要
- 複雑な回路でも、この2つを組み合わせると方程式で解ける
【起電力(きでんりょく)】
定義
起電力とは、電源が回路内の電荷を動かすために与えるエネルギーの大きさを表す量である。言いかえると、単位電荷あたりに電源がする仕事の大きさである。
イメージ
電池をつなぐと電流が流れるのは、電池が電荷を「押し出す力のもと」を持っているためである。このとき、電池の内部では化学反応などによって電荷が低い電位から高い電位へ運ばれる。この働きの強さが起電力である。
つまり、回路全体で電荷を一周させるための「エネルギーの供給源」と考えるとよい。
数式
起電力は、単位電荷あたりのエネルギーとして次のように表される。
\[E = \frac{W}{q}\]
ここで、\(E\) は起電力(V)、\(W\) は電源がした仕事(J)、\(q\) は電荷(C)である。
また、理想的な電源では、起電力は回路の電圧と一致する。
\[V = E\]
ポイント
- 起電力は「力」ではなく、単位電荷あたりのエネルギーを表す量である
- 電池内部では電荷は低電位から高電位へ運ばれる(外部とは逆向き)
- 内部抵抗がある場合、端子電圧は起電力より小さくなる
【内部抵抗(ないぶていこう)】
定義
内部抵抗とは、電池や電源の内部に存在する抵抗のことであり、電流が流れるときに電圧の一部が内部で失われる原因となる。
イメージ
理想的には、電池は決まった電圧をそのまま外部に与えると考えられる。しかし実際には、電池の内部にも電流の流れにくさがあり、そこでも電圧が消費される。
つまり、電池の中にも「見えない抵抗」があり、その分だけ外に取り出せる電圧が小さくなるイメージである。
数式
起電力を \(E\)(V)、内部抵抗を \(r\)(Ω)、電流を \(I\)(A)とすると、電池の端子電圧 \(V\)(V)は次のように表される。
\[V = E - Ir\]
ここで、\(Ir\) は内部抵抗によって失われる電圧である。
また、外部抵抗 \(R\)(Ω)を含めた回路では、電流は次の式で求められる。
\[I = \frac{E}{R + r}\]
ポイント
- 内部抵抗があると、電流が流れるほど端子電圧は小さくなる
- 理想電源では内部抵抗 \(r\) は 0 と考える
- 電池の性能評価では、内部抵抗の大きさが重要になる(小さいほど良い)
半導体
【n型半導体(えぬがたはんどうたい)】
定義
n型半導体とは、不純物を加えることで自由電子が多くなり、電流の主な担い手(キャリア)が電子になる半導体である。主に5価の元素(リンなど)を加えて作られる。
イメージ
純粋な半導体にリンのような原子を少し混ぜると、余分な電子が生まれる。この電子は結晶の中を自由に動くことができるため、電気が流れやすくなる。つまり、電子がたくさん動き回って電流を作る状態である。
数式
電流は電荷の移動で表されるため、基本式は次のようになる。
\[I = nqv\]
ここで、
\(n\) は単位体積あたりの電子数(m⁻³)、
\(q\) は電子の電荷(約 \(1.6\times10^{-19}\) C)、
\(v\) は電子の平均の速さ(m/s)である。
ポイント
- n型半導体では電子が主なキャリアであり、正孔は少ない
- 5価の不純物(ドナー)を加えることで自由電子が増える
- 電気伝導は主に電子の移動によって決まる
【p型半導体(ぴーがたはんどうたい)】
定義
p型半導体とは、価電子が少ない不純物を加えることで、正の電荷をもつ「正孔(ホール)」が主な電気の担い手(キャリア)となる半導体である。
イメージ
シリコンにホウ素などの不純物を入れると、電子が1つ足りない状態ができる。この「電子の抜けた穴」が正孔であり、周りの電子が次々と移動してこの穴を埋めることで、結果として正孔が動いているように見える。つまり、電子が動くことで、正の電荷が移動しているように振る舞う。
数式
電流 \(I\)(A)は、正孔の移動によっても流れると考えることができる。
\[I = \frac{q}{t}\]
ここで、\(q\) は移動した電荷(C)、\(t\) は時間(s)である。
また、電流は正孔の数密度 \(p\)、電荷 \(e\)、移動速度 \(v\) によっても表される。
\[I = p e v A\]
ここで、\(A\) は断面積(m²)である。
ポイント
- p型では正孔(ホール)が主なキャリアであり、電子は少数キャリアである
- 正孔は実際の粒子ではなく、「電子が足りない状態」として表される
- 不純物として3価の元素(例:ホウ素)を加えることで生成される
【pn接合(ぴーえぬせつごう)】
定義
pn接合とは、p型半導体とn型半導体を接合した構造であり、接合部分で電荷の移動によって電位差(内蔵電位)が生じることで、電流の流れ方に方向性が現れるものである。
イメージ
p型半導体には正孔(+の電荷のように振る舞う粒子)、n型半導体には自由電子(-の電荷)が多く存在する。これらを接合すると、電子と正孔が互いに移動して打ち消し合い、接合部の近くに電荷がほとんどない領域(空乏層)ができる。この部分は電気が流れにくくなり、一定の向きでしか電流が流れにくくなる。
数式
pn接合そのものに単純な基本式は少ないが、電流と電圧の関係は次のように表される。
\[I = I_0 \left( e^{\frac{qV}{kT}} - 1 \right)\]
ここで、\(I\) は電流(A)、\(V\) は電圧(V)、\(q\) は電荷(C)、\(k\) はボルツマン定数、\(T\) は絶対温度(K)、\(I_0\) は逆方向飽和電流である。
ポイント
- 接合部には空乏層ができ、内部に電場が生じる
- 順方向では電流が流れやすく、逆方向では流れにくい(整流作用)
- ダイオードなどの基本素子はpn接合を利用している
【ダイオード(だいおーど)】
定義
ダイオードとは、電流を一方向にだけ流す性質をもつ半導体素子である。順方向には電流が流れやすく、逆方向にはほとんど流れない。
イメージ
水の流れに例えると、一方向にだけ開く弁(バルブ)のような働きをする。正しい向きに圧力をかけると水は流れるが、逆向きにするとほとんど流れない。ダイオードも同様に、電流の向きを制限する。
数式
ダイオードの電流 \(I\)(A)と電圧 \(V\)(V)の関係は、理想的には次のように近似される。
\[I = \begin{cases} 0 & (V < 0) \\ 大きな値 & (V > 0) \end{cases}\]
実際には、順方向ではある程度の電圧(約0.6〜0.7 V:シリコンの場合)を超えると急に電流が流れ始める。
ポイント
- 電流は基本的に一方向にしか流れない(整流作用)
- 順方向では一定の電圧を超えると電流が急増する
- 逆方向ではほとんど電流は流れないが、非常に大きな電圧では破壊されることがある
磁場
【磁場(じば)】
定義
磁場とは、磁石や電流のまわりに生じる空間の性質であり、その中にある電荷や電流に力を及ぼす場である。磁場は目には見えないが、力の働きとして観測できる。
イメージ
磁石の近くに鉄粉をまくと、一定の模様ができる。この模様は磁場の向きと広がりを表している。また、電流が流れている導線のまわりにも同様に磁場ができると考えると理解しやすい。
数式
磁場の強さは次のように表す。
\[B \ (\mathrm{T})\]
ここで、\(B\) は磁場の強さ、単位はテスラ(T)である。
電流 \(I\)(A)が流れる導線のまわりの磁場の強さは、距離 \(r\)(m)に対して次のように表される(直線電流の場合)。
\[B = \frac{\mu_0 I}{2\pi r}\]
ここで、\(\mu_0\) は真空の透磁率である。
ポイント
- 磁場は磁石だけでなく、電流によっても生じる
- 磁場には向きがあり、磁力線で表される
- 磁場中の電荷や電流には力(ローレンツ力)が働く
【磁力線(じりょくせん)】
定義
磁力線とは、磁場の向きと強さを視覚的に表すために考えられた仮想的な線である。各点において、その点の磁場の向きに接するように引かれる。
イメージ
棒磁石のまわりに鉄粉をまくと、曲線状に並ぶ。この並び方が磁力線のイメージである。磁石の外ではN極から出てS極に入り、内部ではS極からN極に戻るように、閉じたループをつくる。
数式
磁場の強さは磁束密度 \(B\)(T)で表され、磁力線の密度でその大きさを表現する。
\[B \ (\mathrm{T})\]
ここで、\(B\) は磁束密度、単位はテスラ(T)である。
また、磁束 \(\Phi\) は次のように表される。
\[\Phi = B S\]
ここで、\(S\) は面積(m²)である(磁場が一様で面に垂直な場合)。
ポイント
- 磁力線は実在する線ではなく、磁場をわかりやすく表すためのモデルである
- 磁力線の本数が多いほど、その場所の磁場は強い
- 磁力線は必ず閉じた曲線となり、途中で途切れたり交わったりしない
【磁束密度(じそくみつど)】
定義
磁束密度とは、磁場の強さと向きを表す物理量であり、単位面積あたりにどれだけ磁束が通っているかを示す量である。磁場の中で電流や磁石がどの程度力を受けるかを決める重要な量である。
イメージ
磁石のまわりに鉄粉をまくと、線のように並ぶ。この線の密集しているところほど磁場が強い。磁束密度は、この「線の密度」を数値で表したものと考えるとよい。つまり、同じ面積を通る磁力線が多いほど磁束密度は大きくなる。
数式
磁束密度は、磁束 \(\Phi\)(Wb)と面積 \(S\)(m²)の関係として次のように表される。
\[B = \frac{\Phi}{S}\]
ここで、\(B\) は磁束密度(T)、\(\Phi\) は磁束(Wb)、\(S\) は面積(m²)である。
また、電流 \(I\)(A)がつくる磁場中で長さ \(l\)(m)の導線に働く力 \(F\)(N)は次のように表される。
\[F = B I l\]
ポイント
- 磁束密度はベクトル量であり、向きは磁力線の向きで定まる
- 単位はテスラ(T)で、1 T は 1 Wb/m² に相当する
- 磁場の強さを具体的に表す量であり、力の大きさと直接関係する
【磁束(じそく)】
定義
磁束とは、ある面を通過する磁場の量を表す物理量である。磁場がどれだけその面を貫いているかを示す指標であり、磁場の強さと面の広さ、向きによって決まる。
イメージ
磁力線が面をどれだけ通り抜けているかを数えるイメージで考えると理解しやすい。面に対して磁力線が垂直に多く通るほど磁束は大きくなり、斜めに通る場合や本数が少ない場合は小さくなる。
数式
磁束 \(\Phi\) は次のように表される。
\[\Phi = B S \cos\theta\]
ここで、\(\Phi\) は磁束(Wb)、\(B\) は磁束密度(T)、\(S\) は面積(m²)、\(\theta\) は磁場と面の法線とのなす角である。
ポイント
- 磁束は「磁場の強さ」「面積」「向き」の3つで決まる
- 面に垂直に磁場が通るとき(\(\theta=0\))のとき最大になる
- 電磁誘導では、この磁束の変化が電流を生む原因になる
【電流がつくる磁場(でんりゅうがつくるじば)】
定義
電流がつくる磁場とは、電流が流れている導線のまわりに生じる磁場のことである。電荷が動くことによって、その周囲の空間に磁気的な影響が広がる。
イメージ
まっすぐな導線に電流を流すと、その周りに円を描くように磁場ができる。コンパスを近づけると針が回ることで確認できる。
つまり、電流のまわりには「ぐるぐる巻くような磁場」ができると考えるとよい。
また、コイルに電流を流すと、棒磁石のように一方向にそろった磁場ができる。
数式
長い直線電流のまわりの磁場の強さは次の式で表される。
\[B = \frac{\mu_0 I}{2\pi r}\]
ここで、
\(B\) は磁場の強さ(T)、
\(I\) は電流(A)、
\(r\) は導線からの距離(m)、
\(\mu_0\) は真空の透磁率である。
ポイント
- 電流が流れると、そのまわりに円形の磁場ができる
- 磁場の向きは右ねじの法則で決まる(電流の向きに親指を向けると、指の向きが磁場)
- 磁場の強さは電流に比例し、距離が離れるほど弱くなる
【ソレノイド(それのいど)】
定義
ソレノイドとは、導線をらせん状に巻いたコイルのことであり、電流を流すと内部にほぼ一様な磁場をつくる装置である。
イメージ
長いばねのように巻かれた導線を想像するとよい。電流を流すと、コイルの内部では同じ向きの磁場が重なり合い、一定方向にそろった磁場ができる。一方、外側では磁場は弱くなる。
数式
ソレノイド内部の磁場の強さは、次の式で表される。
\[B = \mu_0 n I\]
ここで、\(B\) は磁束密度(T)、\(\mu_0\) は真空の透磁率、\(n\) は単位長さあたりの巻き数(m⁻¹)、\(I\) は電流(A)である。
ポイント
- ソレノイド内部の磁場はほぼ一様で、外部の磁場は弱い
- 磁場の向きは右ねじの法則で決まる(電流の向きと対応する)
- 長いソレノイドほど、理想的な一様磁場に近づく
電磁力
【電流が受ける力(でんりゅうがうけるちから)】
定義
電流が流れている導線が磁場中に置かれると、その導線は磁場から力を受ける。この力を「電流が受ける力(磁場中の電流に働く力)」という。
イメージ
磁石の近くに電流を流した導線を置くと、導線が横に動こうとする。このとき、電流の向きと磁場の向きの関係によって、力の向きが決まる。つまり、磁場の中を電気が流れると、押されるような力が働く。
数式
電流が受ける力の大きさは次の式で表される。
\[F = B I L \sin\theta\]
ここで、\(F\) は力(N)、\(B\) は磁束密度(T)、\(I\) は電流(A)、\(L\) は導線の長さ(m)、\(\theta\) は電流の向きと磁場のなす角である。
ポイント
- 力の向きは「フレミング左手の法則」で決まる
- 電流と磁場が平行なとき(\(\theta=0^\circ\))は力は働かない
- この力はモーターの回転の基本原理になっている
【ローレンツ力(ろーれんつりょく)】
定義
ローレンツ力とは、電場や磁場の中にある電荷が受ける力のことである。特にEJUでは、磁場中を運動する電荷に働く力(磁気による力)を指すことが多い。
イメージ
磁場の中を動いている電荷は、進む方向とは別の向きに力を受けて曲げられる。例えば、電子が磁場中に入ると、直進せず円を描くように運動する。これは、常に進行方向に対して横向きの力が働いているためである。
数式
磁場中で運動する電荷に働くローレンツ力は次式で表される。
\[F = qvB \sin\theta\]
ここで、\(F\) は力(N)、\(q\) は電荷(C)、\(v\) は速さ(m/s)、\(B\) は磁束密度(T)、\(\theta\) は速度と磁場のなす角である。
特に、速度と磁場が垂直のときは次のようになる。
\[F = qvB\]
ポイント
- 力の向きは、速度と磁場の両方に垂直になる(右手の法則で決める)
- 力は速さを変えず、進む向きだけを変える(円運動の原因になる)
- 電荷の符号によって力の向きが逆になる
【ホール効果(ほーるこうか)】
定義
ホール効果とは、電流が流れている導体や半導体に磁場をかけたとき、電流と磁場の両方に垂直な方向に電圧(ホール電圧)が生じる現象である。
イメージ
電流が流れている導体の中では、電荷(多くの場合は電子)が動いている。ここに磁場をかけると、動いている電荷はローレンツ力を受けて横方向に曲げられる。その結果、片側に電荷が集まり、反対側との間に電圧が生じる。
数式
ローレンツ力は次のように表される。
\[F = qvB\]
ここで、\(F\) は力(N)、\(q\) は電荷(C)、\(v\) は電荷の速さ(m/s)、\(B\) は磁束密度(T)である。
また、ホール電圧 \(V_H\) は次のように表される。
\[V_H = \frac{BI}{nqd}\]
ここで、\(I\) は電流(A)、\(n\) は単位体積あたりの電荷数(m⁻³)、\(d\) は導体の厚さ(m)である。
ポイント
- ホール電圧は「電流の向き」と「磁場の向き」の両方に垂直な方向に生じる
- 電荷の符号によって電圧の向きが変わる(電子か正孔かの判別に使える)
- 半導体の性質(キャリアの種類や密度)を調べる重要な手段である
電磁誘導
【ファラデーの法則(ふぁらでーのほうそく)】
定義
ファラデーの法則とは、磁束が時間的に変化するとき、その変化に応じて回路に誘導起電力が生じるという法則である。つまり、磁場の変化が電流を生み出す原因になる。
イメージ
コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすると電流が流れる。これは、コイルを通る磁場の強さが変わることで、電気を押し出すはたらき(誘導起電力)が生まれるためである。
動かさずに止めていると電流は流れないが、動かして磁場が変化しているときだけ電流が流れるのが特徴である。
数式
誘導起電力は次の式で表される。
\[E = - \frac{d\Phi}{dt}\]
ここで、\(E\) は誘導起電力(V)、\(\Phi\) は磁束(Wb)、\(t\) は時間(s)である。
コイルが \(N\) 回巻きの場合は、
\[E = - N \frac{d\Phi}{dt}\]
となる。
ポイント
- 磁束が「変化すること」が本質であり、大きさそのものではない
- 符号の「−」はレンツの法則を表し、変化を打ち消す向きに電流が流れる
- 磁石の移動、コイルの回転、磁場の変化など、いずれでも磁束が変われば誘導起電力が生じる
【レンツの法則(れんつのほうそく)】
定義
レンツの法則とは、電磁誘導によって生じる誘導電流の向きは、もとの磁束の変化を打ち消す向きになる、という法則である。
つまり、磁束が増えればそれを減らす向きに、磁束が減ればそれを保とうとする向きに電流が流れる。
イメージ
コイルに近づけた磁石を考えると、磁石が近づくにつれてコイルを通る磁束は増える。するとコイルには、その増加をじゃまする向きの磁場をつくるように電流が流れる。
反対に、磁石を遠ざけると磁束は減るので、今度は減少をじゃまする向きの磁場をつくるように電流が流れる。つまり、変化そのものに逆らう向きがレンツの法則のポイントである。
数式
ファラデーの電磁誘導の法則は次の式で表される。
\[\mathcal{E} = -\frac{d\Phi}{dt}\]
ここで、\(\mathcal{E}\) は誘導起電力(V)、\(\Phi\) は磁束(Wb)、\(t\) は時間(s)である。
この式のマイナスは、誘導電流や誘導起電力の向きが、磁束の変化を打ち消す向きになることを表している。これがレンツの法則である。
ポイント
- 注目するのは、磁場そのものの向きではなく、磁束の変化を打ち消す向きである
- 磁石が近づく場合と遠ざかる場合では、誘導電流の向きは逆になる
- レンツの法則は、エネルギー保存の考え方ともつながっている
【誘導起電力(ゆうどうきでんりょく)】
定義
誘導起電力とは、磁束が時間的に変化するときに、回路や導体内に生じる電圧のことである。これは電磁誘導によって発生し、電流を流そうとする働きをもつ。
イメージ
コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすると、コイルの中を通る磁場の強さが変わる。その変化に応じて電圧が生まれ、電流が流れる。つまり、「磁場の変化が電気を生み出す」と考えると理解しやすい。
数式
誘導起電力はファラデーの法則で表される。
\[\mathcal{E} = - \frac{d\Phi}{dt}\]
ここで、\(\mathcal{E}\) は誘導起電力(V)、\(\Phi\) は磁束(Wb)、\(t\) は時間(s)である。
マイナス符号はレンツの法則を表し、変化を打ち消す向きに電流が流れることを意味する。
ポイント
- 磁束が「変化」しないと誘導起電力は生じない
- 誘導起電力の向きは、磁束の変化を打ち消す向き(レンツの法則)で決まる
- コイルの巻き数が多いほど、誘導起電力は大きくなる
【渦電流(うずでんりゅう)】
定義
渦電流とは、時間的に変化する磁場の中に導体を置いたとき、または導体を磁場中で動かしたときに、その内部に円を描くように流れる電流である。電磁誘導によって生じる電流の一種である。
イメージ
金属板の中に目に見えない「渦(うず)」ができるように電流が流れるイメージである。たとえば、磁石を金属板の近くで動かすと、その変化に応じて金属内部にぐるぐる回る電流が発生する。この電流は、もとの変化を打ち消す向きに流れる。
数式
電磁誘導の基本式により、誘導起電力は次のように表される。
\[V = -\frac{d\Phi}{dt}\]
ここで、\(V\) は誘導起電力(V)、\(\Phi\) は磁束(Wb)、\(t\) は時間(s)である。
渦電流は、この誘導起電力によって導体内部に閉じた経路として流れる電流である。
ポイント
- 渦電流は導体内部に円形(ループ状)に流れる電流である
- 磁場の変化を打ち消す向きに流れる(レンツの法則)
- 渦電流はジュール熱を発生させ、エネルギー損失の原因にもなる
交流
【交流(こうりゅう)】
定義
交流とは、時間とともに大きさや向きが周期的に変化する電流や電圧のことである。電流の向きが一定である直流と異なり、一定の周期で正負が入れ替わる。
イメージ
家庭のコンセントから供給される電気は交流である。電流は一方向に流れ続けるのではなく、一定の速さで行き来している。イメージとしては、水が左右に往復しているような状態に近い。
数式
交流の電圧や電流は、正弦波で表されることが多い。
\[v = V_0 \sin(\omega t)\]
ここで、\(v\) は電圧(V)、\(V_0\) は最大値(振幅)、\(\omega\) は角周波数(rad/s)、\(t\) は時間(s)である。
また、角周波数と周期の関係は次のようになる。
\[\omega = 2\pi f\]
ここで、\(f\) は周波数(Hz)である。
ポイント
- 交流は時間とともに向きと大きさが変化する電流である
- 日本の家庭用電源は周波数が50 Hzまたは60 Hzである
- 交流は変圧が容易であり、送電に適している
【実効値(じっこうち)】
定義
実効値とは、交流の電圧や電流が「同じ大きさの直流と同じだけの発熱効果をもつ」ときの値である。つまり、交流を直流と同じ基準で扱うための代表的な大きさである。
イメージ
交流は時間とともに大きさと向きが変わるが、抵抗での発熱は常に正になる。そこで、同じ時間で同じだけ熱を発生させる直流の値に置き換えたものが実効値である。つまり、見かけの平均ではなく「エネルギー的に等しい値」と考えると理解しやすい。
数式
正弦波の電圧について、実効値は次のように表される。
\[V_{\mathrm{rms}} = \frac{V_0}{\sqrt{2}}\]
ここで、\(V_0\) は最大値(ピーク値)(V)である。
同様に電流についても、
\[I_{\mathrm{rms}} = \frac{I_0}{\sqrt{2}}\]
となる。\(I_0\) は最大値(A)である。
ポイント
- 実効値は「発熱効果が同じになる直流の値」で定義される
- 正弦波では最大値の \(1/\sqrt{2}\) 倍になる(約0.707倍)
- 家庭用電源の100Vは実効値であり、最大値は約141Vである
【位相(交流)(いそう(こうりゅう))】
定義
位相とは、交流の波が時間の中でどの位置にあるかを表す量であり、同じ周期で変化する2つの交流の「ずれ」を角度で表したものである。
イメージ
同じリズムで動く2つの波でも、タイミングが少しずれていることがある。例えば、一方が最大値のときに、もう一方はまだ途中の値であれば、このずれを位相で表す。波の「進み」や「遅れ」を角度として見ていると考えるとよい。
数式
交流電圧や電流は次のように表される。
\[v = V_0 \sin(\omega t + \phi)\]
ここで、\(V_0\) は振幅(V)、\(\omega\) は角周波数(rad/s)、\(t\) は時間(s)、\(\phi\) は位相(rad)である。
位相差 \(\Delta \phi\) は2つの波のずれを表し、
\[\Delta \phi\]
で表される。
ポイント
- 位相は「時間のずれ」を角度(rad)で表したもの
- 同位相(\(\Delta \phi = 0\))のとき、波の形は完全に一致する
- 位相差があると、電圧と電流の最大になるタイミングがずれる
【リアクタンス(りあくたんす)】
定義
リアクタンスとは、交流回路において電流の流れにくさを表す量のうち、コンデンサーやコイルによって生じる成分である。電流の大きさだけでなく、電圧との時間的なずれ(位相差)を生むのが特徴である。
イメージ
直流では電流は一定に流れるが、交流では電流が時間とともに変化する。その変化に対して、コイルは電流の変化を妨げ、コンデンサーは電圧の変化を妨げる。この「変化しにくさ」がリアクタンスである。
つまり、水の流れで考えると、流れの速さが変わろうとするときに抵抗する性質のようなものである。
数式
リアクタンスには主に2種類ある。
コイルによるリアクタンス(誘導リアクタンス) \[X_L = \omega L\]
コンデンサーによるリアクタンス(容量リアクタンス) \[X_C = \frac{1}{\omega C}\]
ここで、\(\omega\) は角周波数(rad/s)、\(L\) はインダクタンス(H)、\(C\) は電気容量(F)である。
ポイント
- リアクタンスは交流でのみ意味をもつ量であり、直流では影響しない
- コイルでは周波数が高いほど大きくなり、コンデンサーでは逆に小さくなる
- 抵抗と異なり、エネルギーを消費せず、電圧と電流の位相差を生む
【インピーダンス(いんぴーだんす)】
定義
インピーダンスとは、交流回路において電流の流れにくさを表す量であり、抵抗・コイル・コンデンサーの効果をすべてまとめたものである。直流回路の抵抗に対応するが、位相のずれも含めて扱う点が特徴である。
イメージ
直流では「抵抗が大きいほど電流が流れにくい」と考えるが、交流ではコイルやコンデンサーも電流を妨げる。
例えば、コイルは電流の変化を嫌い、コンデンサーは電圧の変化を嫌うため、どちらも電流の流れ方に影響する。
インピーダンスは、これらすべてをまとめて「交流に対する通りにくさ」として表したものと考えるとよい。
数式
インピーダンス \(Z\)(Ω)は、電圧 \(V\)(V)と電流 \(I\)(A)の関係として次のように表される。
\[Z = \frac{V}{I}\]
抵抗 \(R\)、リアクタンス \(X\) を用いると、一般に次の形になる。
\[Z = \sqrt{R^2 + X^2}\]
ここで、\(X\) はコイルやコンデンサーによる影響(リアクタンス)である。
ポイント
- インピーダンスは交流回路における「抵抗」に相当するが、位相のずれも含む
- コイルやコンデンサーも電流を妨げるため、それらも含めて考える
- 単位は抵抗と同じく Ω(オーム)である
【共振回路(きょうしんかいろ)】
定義
共振回路とは、コイルとコンデンサーを含む回路において、特定の周波数の交流に対して電流や電圧の応答が大きくなる現象(共振)を利用する回路である。この特定の周波数を共振周波数という。
イメージ
コイルは電流の変化を妨げ、コンデンサーは電荷の変化をためこむ性質をもつ。この2つを組み合わせると、エネルギーが「磁場 ↔ 電場」の間で行き来するようになる。
つまり、ちょうどよい周波数で交流を加えると、このエネルギーのやりとりがうまくかみ合い、電流や電圧が大きく振動する状態になる。これが共振である。
数式
共振周波数 \(f\) は次の式で表される。
\[f = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}}\]
ここで、\(L\) はコイルのインダクタンス(H)、\(C\) はコンデンサーの静電容量(F)である。
ポイント
- 共振では、回路のインピーダンスが極小または極大になる(回路の種類による)
- 共振周波数は \(L\) と \(C\) で決まり、電源の強さには依存しない
- ラジオの選局など、特定の周波数だけを取り出す用途に使われる
電磁波
【電磁波(でんじは)】
定義
電磁波とは、電場と磁場が互いに変化しながら空間を伝わっていく波である。物質を必要とせず、真空中でも伝わることができる。
イメージ
電磁波は、電場と磁場が直角に振動しながら進む波である。例えば、光や電波も電磁波であり、空間を伝わってエネルギーを運ぶ。水面の波とは違い、媒質がなくても進むのが特徴である。
数式
電磁波の速さは次のように表される。
\[c = 3.0 \times 10^8 \ (\mathrm{m/s})\]
ここで、\(c\) は光の速さであり、真空中ではすべての電磁波がこの速さで進む。
また、波の基本関係は次式で表される。
\[c = f\lambda\]
ここで、\(f\) は振動数(Hz)、\(\lambda\) は波長(m)である。
ポイント
- 電磁波は電場と磁場が互いに影響しながら伝わる波である
- 真空中でも伝わり、速さはすべて同じ(光速)である
- 電磁波には電波、赤外線、可視光、紫外線、X線などが含まれる
【波長と周波数(電磁波)(はちょうとしゅうはすう(でんじは))】
定義
電磁波の波長とは、波の山から次の山までのような、波のくり返し1回分の長さである。周波数とは、1秒間に何回くり返すかを表す量である。電磁波では、波長と周波数は別々の量だが、速さが決まっているときは互いに関係している。
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電磁波は空間を伝わる波であり、波長が長いものは1回分の波の長さが大きい。逆に、周波数が高いものは短い時間に何回も波がくり返される。つまり、同じ速さで進むなら、細かくくり返す波ほど波長は短くなり、ゆっくりくり返す波ほど波長は長くなる。
たとえば、電波、赤外線、可視光、紫外線、X線はすべて電磁波である。種類が違って見えても、波長や周波数の違いで区別されていると考えると整理しやすい。
数式
電磁波の速さ \(v\)(m/s)、波長 \(\lambda\)(m)、周波数 \(f\)(Hz)の関係は、次の式で表される。
\[v = f\lambda\]
ここで、\(v\) は波の進む速さ、\(f\) は周波数、\(\lambda\) は波長である。
真空中では、電磁波の速さは光速 \(c\)(m/s)で一定であり、
\[c = f\lambda\]
と書ける。真空中の光速はおよそ \(3.0\times10^8\) m/s である。
ポイント
- 真空中では、電磁波の速さは種類によらず同じで、波長が短いほど周波数は高い
- 波長と周波数は反比例の関係にあるが、これは速さが一定のときに成り立つ
- 電磁波の種類は、波長や周波数の違いで分けられ、可視光はその一部である
【電磁波の種類(でんじはのしゅるい)】
定義
電磁波の種類とは、電磁波を波長や振動数の違いによって分類したものである。波長が長いものから短いものへと並べると、電波・赤外線・可視光・紫外線・X線・γ線などに分けられる。
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電磁波はすべて同じ性質(電場と磁場の波)をもつが、波の細かさ(波長)によって性質や使い道が変わる。
たとえば、電波は通信に使われ、可視光は目で見える光、X線は体の内部を見るために使われる。波長が短くなるほどエネルギーが大きくなる。
数式
電磁波の基本的な関係は次の式で表される。
\[c = \lambda f\]
ここで、\(c\) は光速(約 \(3.0\times10^8\) m/s)、\(\lambda\) は波長(m)、\(f\) は振動数(Hz)である。
また、電磁波のエネルギー \(E\) は振動数に比例し、次のように表される。
\[E = h f\]
ここで、\(h\) はプランク定数である。
ポイント
- 電磁波はすべて同じ波だが、波長や振動数の違いで分類される
- 波長が短いほど振動数が大きく、エネルギーも大きくなる
- 可視光は人の目で見える範囲であり、その外側に赤外線や紫外線がある