「波」の用語集
EJU物理の波分野における用語を分野別(基本・現象・音・光)に整理した一覧ページ
波の基本
【波動(はどう)】
定義
波動とは、空間中を伝わる「振動や変化」が、物質そのものではなくエネルギーや状態として広がっていく現象である。
媒質がある場合はその振動が隣へと伝わり、媒質がなくても電磁波のように伝わるものもある。
イメージ
水面に石を落とすと、波紋が広がっていく。このとき、水そのものが遠くまで移動しているわけではなく、上下の動き(振動)が隣へ伝わっている。
つまり、「その場の揺れ」がリレーのように伝わっていくのが波動である。
数式
波の速さ \(v\) は、波長 \(\lambda\) と振動数 \(f\) を使って次のように表される。
\[v = f \lambda\]
\(v\):波の速さ(m/s)
\(f\):振動数(Hz)
\(\lambda\):波長(m)
ポイント
- 波は物質の移動ではなく、振動やエネルギーの伝達である
- 媒質が必要な波(音など)と、不要な波(光など)がある
- 波の速さは、振動数と波長の積で決まる
【横波と縦波(よこなみとたてなみ)】
定義
波の進む方向と、媒質(ばいしつ:振動しているもの)の振動の向きの関係によって分類したもの。
横波は、媒質の振動方向が波の進行方向に対して垂直である波である。
縦波は、媒質の振動方向が波の進行方向と同じ向き(平行)である波である。
イメージ
横波は、上下に揺れる動きが横に伝わっていく波である。
ロープの一端を上下に振ると、波は横に進むが、ロープの各部分は上下に動く。このとき、振動方向と進行方向は直角になっている。
縦波は、押したり引いたりする動きがそのまま前に伝わる波である。
ばねを前後に押し引きすると、縮んだ部分(密)と広がった部分(疎)が前に進んでいく。このとき、振動方向と進行方向は同じ向きである。
また、空気中を伝わる音も縦波であり、空気の密度が高い部分(密)と低い部分(疎)が進むことで波として伝わる。
数式
波の基本的な速さの関係は、横波・縦波のどちらにも共通である。
\[v = fλ\]
\(v\):波の速さ(m/s)
\(f\):振動数(Hz)
\(λ\):波長(m)
縦波では、密と密の間、または疎と疎の間の距離が波長λとなる。
ポイント
- 横波は「振動方向 ⟂ 進行方向」、縦波は「振動方向 ∥ 進行方向」
- 縦波では「密」と「疎」が重要で、音波はその代表例である
- 波の速さの式 \(v = fλ\) は両方に共通して使える
【波長(はちょう)】
定義
波が1回の周期で進む距離を表す量。
つまり、同じ状態(山と山、谷と谷、密と密など)の間の距離である。
イメージ
横波では、山から次の山までの距離が波長になる。
縦波では、密な部分から次の密な部分までの距離が波長になる。
つまり、波の「繰り返し1回分の長さ」と考えると理解しやすい。
数式
波の速さ v、振動数 f、波長 λ の関係は次の式で表される。
\[v = fλ\]
\(v\):波の速さ(m/s)
\(f\):振動数(Hz)
\(λ\):波長(m)
この式は、1秒間に f 回の振動があり、その1回ごとに λ だけ進むことを意味している。
ポイント
- 波長は「同じ状態どうしの距離」であり、山と山、谷と谷で測る
- 縦波では「密と密」または「疎と疎」の間隔が波長になる
- 波の速さ v は、振動数 f と波長 λ の積で決まり、どれか1つが変わると他も変化する
【振幅(しんぷく)】
定義
振動や波において、物体がつり合いの位置からどれだけ離れるかを表す最大の大きさ。
つまり、振動の「ふれの大きさ」を示す量である。
イメージ
ばねにつけたおもりが上下に振動するとき、真ん中の位置から一番上まで、または一番下までの距離が振幅である。
波の場合は、波の山の高さ(または谷の深さ)が振幅に対応する。
山と谷の差ではなく、「中心からどれだけ離れているか」が振幅である点が重要である。
数式
単振動では、位置 \(x\) は時間とともに次のように変化する。
\[x = A \sin(ωt + φ)\]
\(A\):振幅(m)
\(ω\):角振動数(rad/s)
\(t\):時間(s)
\(φ\):初期位相(rad)
このとき、振幅 \(A\) が最大の変位を表す。
ポイント
- 振幅は「最大の変位」であり、山から谷までの全体の高さではない
- 振幅が大きいほど、振動や波のエネルギーは大きくなる(条件により比例関係がある)
- 単位は変位と同じで、長さ(m)で表される
【周期(しゅうき)】
定義
同じ運動や変化が1回くり返されるのにかかる時間のこと。
一定のリズムでくり返す現象において、「元の状態に戻るまでの時間」を周期という。
イメージ
たとえば、振り子が左→右→左と元の位置に戻るまでの時間が周期である。
また、波では山から次の山まで、あるいは同じ位置の同じ状態に戻るまでの時間が周期になる。
つまり、「1回分のくり返しにかかる時間」と考えるとよい。
数式
周期 \(T\) と振動数 \(f\) の関係は次のようになる。
\[T = \frac{1}{f}\]
\[f = \frac{1}{T}\]
\(T\):周期(s)
\(f\):振動数(Hz)
ポイント
- 周期は「時間」、振動数は「1秒あたりの回数」で逆数の関係にある
- 波でも振動でも、同じ状態に戻るまでを1周期と考える
- 「往復=1周期」であることが多いが、問題によって定義の取り方に注意する
【振動数(しんどうすう)】
定義
1秒あたりに繰り返される振動の回数を表す物理量。
同じ動きをどれくらい速く繰り返しているかを表す指標であり、単位時間あたりの周期運動の回数で定義される。
イメージ
振動数は「1秒間に何回ゆれているか」を表す量である。
たとえば、ばねにつけたおもりが1秒間に5回往復していれば、振動数は5になる。
音の場合は、振動数が大きいほど高い音、小さいほど低い音として感じられる。
つまり、振動数が大きいほど「速く細かく振動している」と考えるとよい。
数式
振動数と周期の関係は次のように表される。
\[f = \frac{1}{T}\]
\(f\):振動数(Hz)
\(T\):周期(s)
また、波の速さとの関係は次のようになる。
\[v = fλ\]
v:波の速さ(m/s)
λ:波長(m)
ポイント
- 振動数は「1秒あたりの回数」であり、単位は Hz(ヘルツ)を使う
- 周期Tとは逆数の関係にあり、振動数が大きいほど周期は短くなる
- 波では、振動数は波源で決まり、媒質が変わっても基本的に変化しない
【波の速さ(なみのはやさ)】
定義
波の速さとは、波の形(山や谷、または密や疎)が空間をどれだけの速さで進むかを表す量である。
これは、物質そのものが移動する速さではなく、「振動の情報が伝わる速さ」である。
イメージ
ロープを振ると、山と谷の形が横に進んでいく。このとき、ロープの一点はその場で上下に動いているだけで、横に移動しているわけではない。
つまり、進んでいるのは「形」であり、その進む速さが波の速さである。
また、音の場合も同じで、空気そのものが遠くまで移動するのではなく、空気の圧縮と膨張(密と疎)が伝わっていく。この伝わる速さが波の速さである。
数式
波の速さは、次の関係で表される。
\[v = fλ\]
\(v\):波の速さ(m/s)
\(f\):振動数(Hz)
\(λ\):波長(m)
この式は、「1秒間に f 回の振動があり、その1回で λ だけ進む」という意味を持つ。
したがって、振動数が大きいほど、または波長が長いほど、波の速さは大きくなる。
ポイント
- 波の速さは「媒質の性質」で決まり、振動数や波長を変えても同じ媒質では基本的に一定
- 振動数が変わると、波長が自動的に変わる(\(v = fλ\) を満たすため)
- 波の速さは「物体の移動」ではなく「状態の伝わり方の速さ」である
【位相(いそう)】
定義
波や振動において、ある点が振動のどの段階にあるかを表す量。
同じ振動の中で「今どの位置にいるか」を角度で表したものが位相である。
イメージ
同じ波でも、山の頂上にある点と、谷にある点では状態が異なる。
この「どの位置にいるか」の違いが位相である。
また、2つの波を比べたとき、山と山がそろっていれば位相が同じであり、
山と谷が対応していれば位相がずれていると考える。
つまり、位相は「振動の進み具合のずれ」を表すものと考えるとよい。
数式
単振動や波では、変位は次のように表される。
\[y = A \sin(ωt + φ)\]
\(y\):変位(m)
\(A\):振幅(m)
\(ω\):角振動数(rad/s)
\(t\):時間(s)
\(φ\):初期位相(rad)
このとき、\((ωt + φ)\) の部分が位相である。
また、2つの波の位相の差を位相差という。
\[Δφ = φ₂ - φ₁\]
ポイント
- 位相は「振動のどの段階か」を角度で表したもの(単位はrad)
- 位相差が0なら同位相、πなら逆位相になる
- 位相差は干渉や重ね合わせの問題で重要になる
【正弦波(せいげんは)】
定義
時間や位置に対して、正弦関数(サイン関数)に従って変化する波である。
波の中でも最も基本的な形であり、振動や波動の多くはこの形で表される。
イメージ
上下に滑らかに繰り返し動く波で、山と谷が規則的に並ぶ形である。
たとえば、ばねの振動や音の波などは、理想的にはこの形に近い。
イメージとしては、円運動を横から見たときの上下の動きがそのまま波として広がっていく形である。
数式
正弦波は次の式で表される。
\[y = A \sin(ωt - kx)\]
\(y\):変位(m)
\(A\):振幅(m)
\(ω\):角振動数(rad/s)
\(t\):時間(s)
\(k\):波数(rad/m)
\(x\):位置(m)
また、角振動数と振動数の関係は次の通りである。
\[ω = 2πf\]
\(f\):振動数(Hz)
ポイント
- 正弦波は「最も基本的な波」であり、多くの波をこの形で近似できる
- 振幅\(A\)は波の大きさ、\(ω\)は時間変化の速さ、\(k\)は空間的な変化の細かさを表す
- 円運動の影として考えると理解しやすい
波の現象
【重ね合わせの原理(かさねあわせのげんり)】
定義
複数の波が同時に同じ場所を通るとき、それぞれの波の変位を足し合わせたものが、実際の変位になるという原理。
つまり、各波は互いに影響を受けず、独立に重なり合うと考えることができる。
イメージ
2つの波が重なると、その場では高さ(変位)が足し合わされる。
たとえば、上向きの波と上向きの波が重なると、大きな波になる。
逆に、上向きの波と下向きの波が重なると、お互いに打ち消し合う。
つまり、波はぶつかっても消えたり止まったりせず、「その瞬間だけ形が変わる」と考えるとよい。
通り過ぎたあとは、それぞれ元の形のまま進み続ける。
数式
2つの波の変位をそれぞれ \(y₁\)、\(y₂\) とすると、合成された波の変位 \(y\) は次のようになる。
\[y = y₁ + y₂\]
\(y\):合成された変位(m)
\(y₁\)、\(y₂\):それぞれの波の変位(m)
ポイント
- 波は重なっても互いに影響を残さず、通過後は元の形に戻る
- 変位は単純に足し算で求める(符号に注意)
- 干渉(強め合い・弱め合い)はこの原理に基づいて起こる
【干渉(かんしょう)】
定義
複数の波が同じ場所で重なり合うとき、それぞれの波の振動が重ね合わされて、新しい波の形になる現象。
特に、強め合う場所と弱め合う場所が空間的に規則的に現れることが特徴である。
イメージ
2つの波が同時に同じ場所に来ると、それぞれの振れの大きさが足し合わされる。
山と山が重なると大きな山になり、山と谷が重なると打ち消し合って小さくなる。
このようにして、明るい部分と暗い部分(または振幅が大きい部分と小さい部分)が交互に並ぶ。
たとえば、水面に2つの波を作ると、波が強くなる場所と弱くなる場所が縞状に現れる。
数式
干渉は、波の変位の重ね合わせで表される。
\[y = y_1 + y_2\]
\(y\):合成された波の変位(m)
\(y₁、y₂\):それぞれの波の変位(m)
また、強め合い・弱め合いの条件は経路差Δxで表せる。
強め合いの条件
\[Δx = nλ\]
弱め合いの条件
\[Δx = \left(n + \frac{1}{2}\right)λ\]
\(Δx\):2つの波の進んできた距離の差(m)
\(λ\):波長(m)
\(n\):整数(0,1,2,...)
ポイント
- 干渉は「波の重ね合わせ」によって起こる現象である
- 山+山は強め合い、山+谷は弱め合いになる
- 経路差で強め合い・弱め合いの条件を判断する
【定常波(ていじょうは)】
定義
同じ振動数・同じ振幅の2つの波が、互いに逆向きに進んで重なり合うことでできる、空間的に形が固定された波。
波は存在しているが、全体としては進んでいないように見えるのが特徴である。
イメージ
ひもを固定して振動させると、波は反射して戻ってくる。
この進む波と戻る波が重なると、場所によって全く動かない点と、大きく振動する点ができる。
動かない点を節、よく振れる点を腹という。
つまり、波が「その場で振動しているだけ」に見える状態が定常波である。
数式
2つの進行波を
\[y₁ = A \sin(kx - ωt)\]
\[y₂ = A \sin(kx + ωt)\]
とすると、重ね合わせにより
\[y = 2A \sin(kx)\cos(ωt)\]
となる。
\(A\):振幅(m)
\(k\):波数(rad/m)
\(ω\):角振動数(rad/s)
この式から、位置 \(kx\) によって振幅が決まり、時間 \(ωt\) で振動することがわかる。
ポイント
- 定常波は「進行波が2つ重なったもの」であり、波自体は進んでいないように見える
- 節(振幅0)と腹(振幅最大)が一定の間隔で並ぶ
- 節と節の間隔は波長の1/2になる
【反射(はんしゃ)】
定義
波や光が境界面に当たったとき、その一部または全部がもとの媒質に戻る現象。
このとき、入ってくる方向と戻る方向の関係には一定の規則があり、これを反射の法則という。
イメージ
壁に向かってボールを投げると、跳ね返って戻ってくる。このような動きと同じである。
光でも同様に、鏡に当たると跳ね返る。
波でも、端で反射して戻ってくる。
つまり、「進んできたものが境界で向きを変えて戻る」と考えるとよい。
数式
反射では、入射角と反射角が等しくなる。
\[θ_i = θ_r\]
\(θ_i\):入射角(入ってくる角度)(°)
\(θ_r\):反射角(跳ね返る角度)(°)
角度は、境界面に垂直な線(法線)に対して測る。
ポイント
- 入射角と反射角は必ず等しい(法線基準で測る)
- 波でも光でも同じ法則が成り立つ
- 境界の条件によって、波の向きや形が変わることがある(固定端・自由端など)
【屈折(くっせつ)】
定義
波や光が、異なる媒質の境界を通るときに進む向きが変わる現象。
媒質が変わることで波の速さが変化し、その結果として進行方向が曲がる。
イメージ
空気中から水中に光が入ると、進む向きが途中で折れ曲がるように見える。
これは、水中の方が光の進む速さが遅くなるためである。
つまり、波は速さが変わると進む向きも変わる。
速い媒質から遅い媒質に入ると、進行方向は境界の法線に近づく向きに曲がる。
数式
屈折の基本的な関係はスネルの法則で表される。
\[n₁ \sin θ₁ = n₂ \sin θ₂\]
\(n\):屈折率(無次元)
\(θ\):入射角・屈折角(法線から測る角度)
また、屈折率は波の速さと次の関係をもつ。
\[n = \frac{c}{v}\]
\(c\):真空中の速さ(m/s)
\(v\):媒質中の速さ(m/s)
ポイント
- 屈折は「速さが変わること」によって起こる(向きが直接変わるわけではない)
- 角度は必ず「法線(境界に垂直な線)」から測る
- 速い → 遅い媒質では法線側へ、遅い → 速い媒質では法線から離れる
【回折(かいせつ)】
定義
波が障害物やすきま(開口部)に当たったとき、その後ろ側に回り込んで広がる現象。
波の進行方向が変わり、直進だけでなく横方向にも広がるのが特徴である。
イメージ
細いすきまを通った波が、出口で一気に広がる様子を考えるとよい。
たとえば、水面にある小さな穴を通って水波が出ると、穴の先では円形に広がっていく。
また、音は壁の後ろにも回り込んで聞こえるが、これも回折による。
つまり、波は「直進するだけでなく、角を曲がって広がる性質」を持つ。
数式
回折の強さは、波長とすきまの大きさの関係で決まる。
代表的な条件として、回折が目立つのは
\[λ \approx a\]
\(λ\):波長(m)
\(a\):すきまや障害物の大きさ(m)
このとき、波は大きく広がる。
ポイント
- 波長と障害物の大きさが同程度のとき、回折は強くなる
- 波長が非常に短いと、回折はほとんど起こらず直進に近くなる
- 音は回折しやすく、光は回折しにくい(波長の違いによる)
【ホイヘンスの原理(ほいへんすのげんり)】
定義
ある時刻の波面上のすべての点は、それぞれが新しい波の発生源(波源)となり、そこから同じ速さで波が広がると考える原理である。
そのとき、これらの波の包絡線(外側の接線)が、次の時刻の新しい波面になる。
イメージ
波面上の1点だけでなく、「波面全体のすべての点」から小さな波が同時に広がると考える。
たとえば、水面にできた円形の波を考えると、その円周の各点からさらに小さな円形の波が広がる。
その外側をなめらかにつないだ線が、次の波面になる。
つまり、「波は前の波面が次の波面を作る」という連続的な広がりとして理解できる。
数式
波の進む距離は、波の速さと時間の積で表される。
\[x = vt\]
\(x\):波が進む距離(m)
\(v\):波の速さ(m/s)
\(t\):時間(s)
ホイヘンスの原理では、この距離 \(vt\) だけ各点から小さな波(素元波)が広がると考える。
ポイント
- 波面上の「すべての点」が波源になるという考え方が重要
- 新しい波面は、素元波の包絡線として決まる
- 反射・屈折・回折などの現象は、この原理で統一的に説明できる
【スネルの法則(すねるのほうそく)】
定義
光が異なる媒質の境界を通るとき、入射角と屈折角の関係を表す法則である。
媒質ごとに決まる屈折率によって、光の進む向きが変わる。
イメージ
空気から水に光が入ると、光は境界で折れ曲がる。
これは、水の中では光の速さが遅くなるためである。
イメージとしては、進みにくい場所に入ると進行方向が変わる。
つまり、光は速さが変わることで進む方向も変わる。
数式
\[n₁ sinθ₁ = n₂ sinθ₂\]
\(n₁\):入射側の媒質の屈折率
\(n₂\):屈折側の媒質の屈折率
\(θ₁\):入射角(法線からの角度)
\(θ₂\):屈折角(法線からの角度)
屈折率 \(n\) は、光の速さ \(v\) を使って
\[n = \frac{c}{v}\]
\(c\):真空中の光の速さ(約3.0×10⁸ m/s)
\(v\):媒質中の光の速さ(m/s)
ポイント
- 角度は必ず「法線(境界に垂直な線)」から測る
- 屈折率が大きい媒質に入ると、光は法線に近づく方向に曲がる
- 速さが変わることで方向が変わるが、振動数は変わらない
音
【音の速さ(おとのはやさ)】
定義
音の速さとは、音の波が媒質(空気・水・固体など)の中をどれくらいの速さで伝わるかを表す量である。
同じ音でも、媒質の種類や状態によって速さは変わる。
イメージ
音は、空気の振動(圧縮と膨張)が次々と伝わることで進む縦波である。
つまり、空気の分子そのものが遠くまで移動するのではなく、「振動の情報」がリレーのように伝わっていく。
たとえば、遠くの雷は光が先に見えて、あとから音が聞こえる。
これは、光よりも音の速さが遅いためである。
また、鉄のレールに耳を当てると音が早く届くのは、固体の方が振動が伝わりやすく、音の速さが大きいからである。
数式
音の速さも波の基本式で表される。
\[v = fλ\]
\(v\):音の速さ(m/s)
\(f\):振動数(Hz)
\(λ\):波長(m)
空気中では、温度によって音の速さが変わる近似式もよく使われる。
\[v ≈ 331 + 0.6T\]
\(T\):気温(℃)
\(v\):音の速さ(m/s)
ポイント
- 音は縦波であり、「密」と「疎」が伝わることで進む
- 音の速さは媒質によって異なり、一般に 固体 > 液体 > 気体 の順で大きい
- 空気中では温度が高いほど音の速さは大きくなる
【うなり(うなり)】
定義
振動数がわずかに異なる2つの波が重なったときに、音の強さが周期的に大きくなったり小さくなったりする現象。
この強弱の変化を「うなり」という。
イメージ
少しだけ音の高さが違う2つの音を同時に出すと、「ワンワンワン…」のように音が周期的に強くなったり弱くなったりする。
これは、2つの波が重なるときに、
- 同じ向きに重なると強くなる(強め合い)
- 逆向きに重なると弱くなる(弱め合い)
という状態が時間とともに繰り返されるためである。
つまり、音そのものが変化しているのではなく、「重なり方」が変わることで強さが変化している。
数式
うなりの振動数(うなりの回数)は、2つの波の振動数の差で表される。
\[f_{\text{うなり}} = |f_1 - f_2|\]
\(f₁, f₂\):それぞれの振動数(Hz)
この値は、1秒あたりに何回強弱が繰り返されるかを表す。
ポイント
- 振動数が近いほど、うなりはゆっくりになる(差が小さいため)
- 音の高さではなく「音の強さ」が周期的に変化する現象
- うなりの振動数は差の絶対値 \(|f_1 - f_2|\) で求める
【弦の振動(げんのしんどう)】
定義
弦(ひも)が張られた状態で振動し、その振動が波として伝わる現象。
弦の各点は上下に振動しながら、振動の形(波)が弦に沿って伝わる。
イメージ
弦をピンと張ってはじくと、弦は上下に振動する。
このとき、弦の各部分はその場で上下に動くだけで、弦全体が横に移動するわけではない。
つまり、弦の振動は「その場で上下に動く」と同時に、「その形が横に伝わる」横波である。
ギターの弦や三味線の弦の音は、この振動によって生まれる。
また、両端が固定された弦では、特定の振動の形(定常波)ができ、振動しない点(節)と大きく振動する点(腹)が現れる。
数式
弦を伝わる波の速さは、張力と線密度によって決まる。
\[v = \sqrt{\frac{T}{μ}}\]
\(v\):波の速さ(m/s)
\(T\):弦の張力(N)
\(μ\):線密度(kg/m)
また、長さLの弦の基本振動(両端固定)の振動数は
\[f = \frac{v}{2L}\]
\(f\):振動数(Hz)
\(L\):弦の長さ(m)
ポイント
- 弦の振動は横波であり、振動方向は弦に対して垂直になる
- 波の速さは張力が大きいほど速く、弦が重いほど遅くなる
- 両端固定では定常波ができ、節と腹の位置が重要になる
【気柱の振動(きちゅうのしんどう)】
定義
管の中にある空気(気柱)が振動して、音波(縦波)として伝わる現象。
このとき、気柱の長さや端の条件によって、特定の振動のしかた(共鳴)が起こる。
イメージ
管の中の空気は、前後に押し引きされるように動く。
これは縦波なので、空気は進行方向と同じ向きに振動する。
開いた端では空気が自由に動けるため、振動が大きくなる(腹になる)。
閉じた端では空気が動けないため、振動が小さくなる(節になる)。
たとえば、笛やオルガンのパイプでは、この気柱の振動によって音の高さが決まる。
数式
気柱の長さを \(L\)(m)、波長を \(λ\)(m)とすると、基本振動は次のようになる。
両端が開いている場合(開管)
\[L = \frac{λ}{2}\]
一端が閉じている場合(閉管)
\[L = \frac{λ}{4}\]
また、波の速さ \(v\)(m/s)と振動数 \(f\)(Hz)の関係は
\[v = fλ\]
である。
ポイント
- 気柱の振動は縦波であり、空気は前後に振動する
- 開端は腹、閉端は節になる
- 開管は「1/2波長」、閉管は「1/4波長」が基本形になる
【共振と共鳴(きょうしんときょうめい)】
定義
共振とは、外から加えられる周期的な力の振動数が、物体の固有振動数と一致したときに、振幅が大きくなる現象である。
共鳴とは、ある振動している物体の影響で、別の物体が同じ振動数で大きく振動し始める現象である。
イメージ
共振は、自分の持っている「揺れやすい速さ」と同じリズムで押されると、大きく揺れる現象である。
たとえば、ブランコは一定のタイミングで押すと、だんだん大きく揺れる。
共鳴は、ある振動が別の物体に伝わり、その物体も同じリズムで大きく振動する現象である。
たとえば、音叉を鳴らすと、同じ音の音叉が近くで勝手に振動し始める。
数式
共振が起こる条件は、外力の振動数と固有振動数が一致することである。
\[f = f₀\]
\(f\):外から加えられる振動数(Hz)
\(f₀\):物体の固有振動数(Hz)
また、ばね振動の固有振動数は次のように表される。
\[f₀ = \frac{1}{2π} \sqrt{\frac{k}{m}}\]
\(k\):ばね定数(N/m)
\(m\):質量(kg)
ポイント
- 共振は「外力と自分の固有振動数が一致したとき」に起こる
- 共鳴は「他の物体の振動によって同じ振動が起こる」現象
- 両者は密接に関係し、共鳴は共振の結果として現れることが多い
【ドップラー効果(どっぷらーこうか)】
定義
波の発生源(音源)や観測者が動いているときに、観測される波の振動数や波長が変化して聞こえたり見えたりする現象。
音の場合は、近づくと高い音に、遠ざかると低い音に聞こえる。
イメージ
救急車のサイレンを考えると分かりやすい。
近づいてくるときは音が高く聞こえ、通り過ぎたあと遠ざかると音が低くなる。
これは、音源が動くことで波が前方に詰まり、後方では広がるためである。
つまり、波の間隔(波長)が変わり、その結果として振動数が変化する。
数式
音速を \(v\)(m/s)、音源の速さを \(v_s\)(m/s)、観測者の速さを \(v_o\)(m/s)、
音源の出す振動数を \(f\)(Hz)とすると、観測される振動数 \(f'\) は次のようになる。
\[f' = \frac{v \pm v_o}{v \mp v_s} f\]
\(v\):音速(m/s)
\(v_o\):観測者の速さ(m/s)
\(v_s\):音源の速さ(m/s)
\(f\):音源の振動数(Hz)
符号は、近づくときに振動数が大きくなるように選ぶ。
ポイント
- 近づくと振動数は大きく(高い音)、遠ざかると小さく(低い音)なる
- 本質は「波長が変化すること」であり、音の速さ自体は変わらない
- 音源が動く場合と観測者が動く場合で式の分母・分子の形が異なる
光
【光の性質(ひかりのせいしつ)】
定義
光は、電磁波の一種であり、波としての性質と粒子としての性質の両方をもつ。
波としては、反射・屈折・干渉・回折などの現象を示す。
粒子としては、光子とよばれる粒の集まりとしてふるまう。
イメージ
光は、水面の波のように広がる性質をもつ一方で、粒のようにエネルギーを運ぶ。
たとえば、鏡で光がはね返るのは波としての性質であり、
太陽光で物体が温まるのは、光がエネルギーをもつ粒として届くためである。
つまり、光は「広がる波」と「エネルギーを運ぶ粒」の両方の見方が必要になる。
数式
光の速さと波の関係は次のように表される。
\[c = fλ\]
\(c\):光の速さ(m/s)
\(f\):振動数(Hz)
\(λ\):波長(m)
真空中では、光の速さは約3.0×10⁸ m/sで一定である。
また、光子1個のエネルギーは次のように表される。
\[E = hf\]
\(E\):エネルギー(J)
\(h\):プランク定数(J・s)
\(f\):振動数(Hz)
ポイント
- 光は波と粒子の両方の性質(波動性と粒子性)をもつ
- 反射・屈折・干渉・回折は波としての性質による
- 光子のエネルギーは \(E = hf\) で表され、振動数に比例する
【スペクトル(すぺくとる)】
定義
光や波が、波長や振動数ごとに分かれて並んだものをスペクトルという。
つまり、もともと混ざっている波を「成分ごとに分けて見えるようにしたもの」である。
イメージ
白色光をプリズムに通すと、赤から紫までの色に分かれる。
これは、波長の違いによって光が分かれて並んだもので、これがスペクトルである。
また、音でも同じように、いろいろな高さの音が混ざっている状態を分解すると、どの振動数の音がどれだけ含まれているかが分かる。
つまり、スペクトルとは「混ざっているものを分解して中身を見る」イメージである。
数式
波の基本関係として、振動数と波長には次の関係がある。
\[v = fλ\]
\(v\):波の速さ(m/s)
\(f\):振動数(Hz)
\(λ\):波長(m)
スペクトルでは、この振動数\(f\)や波長\(λ\)ごとの成分の分布を考える。
ポイント
- スペクトルは「波長(または振動数)ごとの分布」を表すもの
- 光では色の並び(連続スペクトルや線スペクトル)として現れる
- 音や電波など、さまざまな波に対して同じ考え方が使える
【分散(ぶんさん)】
定義
波の速さが、その波の振動数や波長によって変わる現象を分散という。
同じ媒質中を進む波でも、振動数が異なると速さが異なる場合に起こる。
イメージ
白い光をプリズムに通すと、赤や青などに分かれる現象がある。
これは、それぞれの色の光で進む速さがわずかに異なるためである。
つまり、いろいろな波が混ざっていると、それぞれが違う速さで進むことで、だんだん分かれていくイメージである。
数式
波の速さは
\[v = fλ\]
で表される。
分散がある場合、振動数fによって波の速さvが変わる。
つまり、vは一定ではなく、振動数の関数になる。
ポイント
- 分散は「振動数によって速さが変わる」現象
- 光では色ごとに速さが異なるため、プリズムで分かれる
- 分散がない場合、どの振動数でも同じ速さで進む
【偏光(へんこう)】
定義
光の振動(電場の振動)の向きが、特定の方向にそろった状態のこと。
通常の光はさまざまな方向に振動しているが、偏光では振動の向きが一方向、または一定の規則に従った方向に制限される。
イメージ
普通の光は、いろいろな方向に揺れている波が混ざって進んでいる状態である。
偏光は、その中から特定の方向の揺れだけを取り出した状態である。
たとえば、すだれのようなものを通すと、特定の向きの振動だけが通り抜ける。
つまり、光の「揺れの向きがそろっている状態」と考えるとよい。
数式
偏光板を通したときの光の強さは、振動方向と偏光板の角度によって変わる。
\[I = I₀ \cos^2 \theta\]
\(I\):透過した光の強さ(W/m²)
\(I₀\):入射した光の強さ(W/m²)
\(θ\):光の振動方向と偏光板の軸のなす角(rad)
ポイント
- 偏光は横波である光に特有の性質であり、縦波では起こらない
- 自然光はさまざまな方向に振動しているが、偏光では方向がそろう
- 偏光板を2枚重ねて角度を変えると、光の強さが変化し、90°で完全に遮られる
【全反射(ぜんはんしゃ)】
定義
光が屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ進むとき、入射角がある角度以上になると、光がすべて反射して外へ出なくなる現象。
このときの境界の角度を臨界角という。
イメージ
水の中から空気の方を見上げると、ある角度までは外の景色が見えるが、それより大きい角度になると鏡のように反射してしまう。
つまり、光が外に出ようとしても、途中で全部跳ね返されてしまう状態である。
イメージとしては「外に出られなくなって、全部内側に戻る光」と考えるとよい。
数式
スネルの法則より、
\[n₁ sinθ₁ = n₂ sinθ₂\]
\(n₁\):入射側の屈折率
\(n₂\):屈折側の屈折率
\(θ₁\):入射角
\(θ₂\):屈折角
臨界角 \(θc\) では、屈折角 \(θ₂\) が90°になるので、
\[sinθc = n₂ / n₁\]
(ただし \(n₁ > n₂\) のときに限る)
ポイント
- 全反射は「屈折率が大 → 小」に進むときだけ起こる
- 入射角が臨界角より大きいと、光は外に出ずすべて反射する
- 光ファイバーはこの全反射を利用して光を遠くまで伝えている
【レンズ(れんず)】
定義
光の屈折を利用して、光を集めたり広げたりする透明な光学部品である。
形状によって、光を集める凸レンズと、光を広げる凹レンズに分けられる。
イメージ
凸レンズは、ばらばらに進んできた光を1点に集める働きをもつ。
たとえば、虫めがねで太陽光を集めると明るい点になる。
凹レンズは、光を外側に広げる働きをもつ。
そのため、像は小さく見え、実際より遠くにあるように感じる。
つまり、凸レンズは「集めるレンズ」、凹レンズは「広げるレンズ」と考えると理解しやすい。
数式
レンズの基本関係は、物体の位置と像の位置の関係を表す式である。
\[\frac{1}{f} = \frac{1}{a} + \frac{1}{b}\]
\(f\):焦点距離(m)
\(a\):物体距離(m)
\(b\):像距離(m)
また、像の大きさの比(倍率)は次で表される。
\[m = \frac{b}{a}\]
\(m\):倍率(無次元)
ポイント
- 凸レンズは実像と虚像の両方を作るが、凹レンズは基本的に虚像のみを作る
- 焦点距離\(f\)はレンズの性質で決まり、光の集まりやすさを表す
- 像の向き(正立・倒立)は、物体の位置によって変わる
【球面鏡(きゅうめんきょう)】
定義
球の表面の一部を利用した鏡で、光を反射させる光学器具である。
反射面の向きによって、内側を使う凹面鏡と、外側を使う凸面鏡に分けられる。
イメージ
球面鏡は、球の一部分を切り取ったような形をしている。
凹面鏡は内側が反射面なので、光を集める性質がある。
遠くの光(平行光)は1点に集まり、そこを焦点という。
凸面鏡は外側が反射面なので、光を広げる性質がある。
反射した光は広がるため、実際には集まらないが、後ろにあるように見える点(虚像の焦点)をもつ。
つまり、凹面鏡は「集める鏡」、凸面鏡は「広げる鏡」と考えると理解しやすい。
数式
球面鏡では、物体の位置と像の位置の関係は次の式で表される。
\[\frac{1}{f} = \frac{1}{a} + \frac{1}{b}\]
\(f\):焦点距離(m)
\(a\):物体までの距離(m)
\(b\):像までの距離(m)
また、焦点距離と曲率半径の関係は次の通りである。
\[f = \frac{R}{2}\]
\(R\):球の半径(曲率半径)(m)
ポイント
- 凹面鏡は光を集め、条件によって実像と虚像の両方をつくる
- 凸面鏡は光を広げ、常に虚像だけをつくる
- 焦点距離は曲率半径の半分になる
【ヤングの実験(やんぐのじっけん)】
定義
2つの細いすきま(スリット)を通した光が重なり合うことで、明るい部分と暗い部分の縞(しま)ができる現象を観察する実験。
光が波として振る舞うこと(干渉)を示す代表的な実験である。
イメージ
1つの光源から出た光を2つのスリットに通すと、2つの光がスクリーン上で重なる。
このとき、波の山と山が重なると明るくなり、山と谷が重なると暗くなる。
つまり、明るい線と暗い線が交互に並ぶ「干渉縞」が現れる。
水面の波が重なって模様ができるイメージに近い。
数式
明るい縞(強め合い)ができる条件:
\[d \sin \theta = mλ\]
暗い縞(弱め合い)ができる条件:
\[d \sin \theta = \left(m + \frac{1}{2}\right) λ\]
\(d\):スリット間の距離(m)
\(θ\):中心からの角度(rad)
\(m\):整数(0,1,2,…)
\(λ\):光の波長(m)
スクリーンまでの距離を \(L\)、縞の間隔を \(Δx\) とすると、
\[\Delta x = \frac{λL}{d}\]
ポイント
- 光が粒ではなく波として振る舞うことを示す重要な実験
- 明るい縞は「強め合い」、暗い縞は「弱め合い」で決まる
- 縞の間隔は \(λL/d\) に比例し、スリット間隔が小さいほど広がる
【回折格子(かいせつこうし)】
定義
非常に細かい間隔で多数のすきま(または線)が規則正しく並んだ装置で、光を回折させて干渉による明暗の模様をつくるもの。
光の波としての性質を利用して、波長ごとに光を分けることができる。
イメージ
細いすきまが1本だけあると光は広がる(回折する)が、回折格子ではそれがたくさん並んでいる。
それぞれのすきまから出た光が重なり合うことで、特定の方向だけ強め合い、明るい線(明線)がはっきり現れる。
つまり、「たくさんのすきまから出た波がそろう方向だけ光が強くなる装置」と考えるとよい。
数式
明線ができる条件は次の式で表される。
\[d \sin \theta = m\lambda\]
\(d\):格子間隔(m)
\(θ\):回折角(rad または °)
\(m\):回折の次数(\(0, 1, 2, …\))
\(λ\):波長(m)
この式は、「隣り合うすきまから出た光の道のりの差が \(m\lambda\) になるときに強め合う」ことを意味する。
ポイント
- すきまの数が多いほど、明線は鋭くはっきりする
- 波長が長いほど、大きな角度に広がる
- \(m = 0\) は中央の明線、\(m = 1, 2 …\) は左右に対称に現れる
【薄膜干渉(はくまくかんしょう)】
定義
非常に薄い膜(うすい層)の表面と裏面で反射した光どうしが重なり、強め合いや弱め合いを起こす現象。
光の反射は1か所ではなく、膜の上面と下面の2か所で起こるため、それらの光の進んだ距離の差によって干渉が生じる。
イメージ
シャボン玉や油膜が虹色に見えるのが典型例である。
光が薄い膜に当たると、一部は上の面で反射し、残りは膜の中に入り、下の面で反射して戻ってくる。
この2つの光は少しだけ進んだ距離が異なるため、重なったときに色ごとに強め合い・弱め合いが起こる。
つまり、膜の厚さによって、特定の色だけが強く見えたり消えたりする。
数式
膜の厚さを \(d\)(m)、屈折率を \(n\) とすると、光が膜の中を往復することで生じる光路差は次のようになる。
\[光路差 = 2nd\]
この光路差によって干渉条件が決まる。
強め合い(明るく見える条件): \[2nd = mλ\]
弱め合い(暗く見える条件): \[2nd = \left(m + \frac{1}{2}\right)λ\]
\(λ\):波長(m)
\(m\):整数(0,1,2,…)
※反射のときに位相が反転する場合があり、そのときは条件が入れ替わることがある。
ポイント
- 反射は膜の「上面」と「下面」の2か所で起こる
- 光路差は「\(2nd\)」で決まり、膜の厚さと屈折率が重要
- 位相反転(反射時の条件)によって、明暗の条件が逆になることがある